初めて目にしたハリウッドボールのコンサート場、そのスケールと洗練された雰囲気は、さすがエンターテイメントの殿堂といった迫力あるものでした。
入り口でセキュリティーチェックを済ませて入場すると、エスカレータに乗って丘の上の会場に向かいます。
このHollywood Bowl、1922年に野外コンサート場としてオープンしたそうです。当時の写真を見ると女性はまだドレス姿で歴史を感じますが、人々の楽しみ方は今も昔も根本的には変わっていないのかもしれませんね。オープン当時ボールにはシェルは無く、全くの青空天井だったようです。1929年にコンクリートのアーチが登場し、その後何度か変遷を繰り返して現在のシェルは5代目。過去にはフランク・ロイド・ライトの息子で建築家のロイド・ライト氏が、そして前作はなんとディズニーホールの建築でも注目されたフランク・ゲーリー氏が設計と、会場内のパネルに過去のドームの歴史が紹介されていました。たかがアーチではなかったのですね。シェルは一大建築物なのでした。 現在のものは、音響効果を大きく改善して2004年にお目見えしたそうです。
Playboy Jazz Festival
6月下旬に開催される恒例のジャズフェスティバルで今年で30周年を迎えました。土曜から週末二日間に渡って催され、昼から夜まで楽しめます。土曜日には日本の女性ジャズピアニストHiromi が出演し、後日LAタイムズに、彼女の笑顔の大きな写真入でクリエイティブな演奏を賛辞する記事が載りました。大物ジャズプレイヤー誕生の様相です。
夫と共に出かけた日曜日は、今年グラミー賞に輝いたHerbie Hancock が出演。ハリウッドの空が薄紫に暮れなずんで少しずつ暗闇に変わり始めた頃の登場となりました。その頃には既に会場は満席。後方は木のベンチ席で、すし詰め状態です。座席のキャパシティーは、17,376席だそうです。観客で埋め尽くされた会場はこれまた圧巻でした。
日が落ちると共に舞台は、鮮やかな照明で彩られます。LAに住んでいつも感じるのが光の演出の美しさ!ここHollywood Bowl ではドーム内を帯状に何色もの光の演出が繰り広げられ演奏と光の共演が見事です。LAらしいエンターテイメントの醍醐味を味わえます。ドームの先には暗闇に浮き上がるハリウッドサインと十字架、そして夜空に輝く星と共に自然と人口の光の見事なコラボレーション。これは、きっと世界に一つきり、ここにしかない夢の世界のように思われます。
最近新聞で、この所の相次ぐ物価高の為、独立記念日の花火を中止する町もあり、住人が悲しいんでいるとの記事を目にしました。ここLAで、こうして例年通り、豪華な花火でアメリカの記念日を祝うことができたことは、当たり前のことではないんだと思えてきます。「明日という日は昨日の続きにあらず」ですね。こうして今年アメリカで迎えられた独立記念日を大切に心に刻んでおこうと思います。
8時の予定時刻より20分ほど遅れてのワンダー登場となりました。その頃には日もすっかり暮れて暗闇の中、気がつくと会場は既に満席状態、観客の熱気で一杯です。現在57歳のワンダー、伸びのある高音は今も健在。いつもの上を見上げるようにして体全体でリズムを取りながら歌う様もそのままで、聞き進んでいくうちにワンダーそのものが音楽のように思えてきます。今回のコンサートは長女とのデュエットや長男のピアノの演奏と父親譲りの伸びのある歌声、そしてまだ幼い次男のドラムの演奏も登場し、3人の子供たちとの共演の織り交ったとても心温まる内容でした。
今後もハリウッドボールでは、見逃せないプログラムが目白押し。
来週はまた、LAフィルのチャイコフスキーと花火のコンサートに出かけていく予定です。今や人気が高く、いつもチケットが売り切れとなる中国人ピアニストLangLangのボールデビューということもあり、花火と共に楽しみな演目です。
ハリウッドボール、座席によってチケットの値段も10ドル代から用意され、ピクニック気分でお弁当持参で楽しむもよし。会場内にもこちらで評判のPatinaのレストランやデリも入っています。ギフトショップもナイスですよ。
色んな楽しみ方ができる夏のハリウッドボールをどうぞお見逃し無く!
http://www.hollywoodbowl.com/
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