2008年10月12日日曜日

アート降る!秋のLA Night

10月に入ってずっと日中は夏日のような暑い日が続いていますが、日が暮れる頃には随分ひんやりと感じられるようなってきました。秋の空気は澄んでクリスプ、冴えた空の青さもさることながら、夕焼け空がひと際美しい季節がかえってきました。
そして夕闇とともに顔を出す月もまたひと際美しい今日この頃です。

LAに暮らし始めてはや一年。当初、LAには四季がないかのような話を聞いていましたが、一年を過ごしてみると、やはりここ にも季節の移り変わりは感じられました。LAに転居して迎えた秋、満開のブーゲンビリアの横に赤く色づいたもみじの葉を目にして驚き、それでも時には枯れ葉が舞う秋 がすぎて、そのあと冷たい雨がそぼ降る冬がやってきました。お天気がいい日には冬でもTシャツ姿のLAの街から眺めた 真っ白な雪を冠った山の姿、ちょうどその日もよく晴れた一日で、まるで夏と冬が一緒にやってきたかのような不思議な気分とともに青空と雪景色のコントラストが今も目に鮮やかに浮かびます。そして冬のあ とには、色とりどり花々が次から次へと顔を出し、新緑が素晴らしい春が訪れました。そして迎えた本格的なLAの夏。照りつける太陽の日射しは強烈でしたが、海からの風が心地よく吹き、日が暮れた後はいたって快適、全くクーラーいらずの夏を過ごしました。
そして今再びのLAの秋を迎えています。   秋の空は七変化、そこに映し出される夕焼けも見事です。

秋は何かとイベントの多い季節、夕暮れとともに秋のLAの街をアートとともに楽しめるイベントに先週いくつかでかけていきました。


FREEWAVES

ハリウッドの町なかで開催されたエキスペリメンタルメディアアートフェスティバルFREEWAVES 、先週そのオープニングパーティーが老舗のルーズベルトホテルのプールバーで行われました。時刻はちょうど日が暮れて街のネオンが輝きだす頃、ここのホテルは、LAのトレンディースポット、ヤシの木が茂るカルフォルニアらしいセッティングのプールバーでは飲み物を片手に談笑する人たちで溢れ、到着した頃には既にパーティーたけなわといった雰囲気でした。個性的でおしゃれな出で立ち人が多く、People watching も楽しめるイベントでした。
11回目になるフェスティバルのテーマは、”AROUND THE GLOBE ”30カ国160のアートチームもしくはアーティストによるエキジビッションがハリウッドの中心地、サンセット通りにある商店やギャラリーを巻き込んで昼夜、ユニークに展開されるようです。今回パーティー会場のではプールの中に浮かんだ白い球体に映像が映し出されるといった展示などが見られました。
その後もパーティーは引き続き10時から場所を変えて、向かいのクラブ、ニッティングファクトリーでDJを交えて行われました。今回何かわからないまま面白そうと出かけていったイベントでしたが、秋の夜、ネオン輝く夜の街の散策もたまには気分転換、いいものです。

WWW.FREEWAVES.ORG


LUNNA MENOH COUTURE SALVAGE @Bergamot station

先週末はもうひとつ夜からスタートするユニークなアートイベントに出かけました。
ちょうど太陽が沈んで茜色に染まる見事な夕焼けを見ながらの出発です。
場所はサンタモニカ市にある駅の跡地を利用した一大アートセンター、ベルガモットステーション。敷地内には倉庫風の建物が建ち並び、各コンプレックスごとにギャラリーが集まっています。この中にサンタモニカミュージアムも入っています。
今回のイベントは、ここにあるTrack 16 Galleryで、夜の8時から開催された”LUNNA MENOH COUTURE SALVAGE ”リサイクルをテーマに 廃材を使ってでデザインされたコスチュームやアクセサリーのファッションショーが、ライブミュージックともに繰り広げられました。今回のショーのデザイナーであり、バンド、Jean Paul Yamamoto のボーカリストでもある、Lunna Menoh は、日本人女性。村上隆のコスチュームを手がけた事でも知られ、ロンドンのロイヤルアルバート美術館に作品が収蔵されているそうです。ショーのはじめにはテレビや掃除機といった廃材を壊して洋服やアクセサリーの材料を作り出す過程がビデオで紹介されました。
本番では次々とモデルが廃材で作られたユニークな作品を身につけて登場、そしてモデルたちは必ず退場する前に携帯電話で話をするというパフォーマンスがつきます。

ショーのあとは、Lunna Menoh率いるバンド Jean Paul Yamamotoの演奏。バンドには元 DEVOの名ドラマー、Alan Myers がメンバーの一人として出演。アランとは、友人を通じて知り合い、こちらに来て購入したインドの打楽器タブラの鳴らし方を教えてもらったりしていながら、まだ一度もドラムの演奏を聞いた事が無く、今回はアランのドラムを聞くのがメインで出かけていったイベントでしたが、行ってみて驚きのユニークなパフォーマンスショーでした。

会場は立ち見もいっぱいで大入り盛況、ショーの後には、今回の作品のコスチュームやアクセサリーも即売されていました。
www.lunnamenoh.com
www.bergamotstation.com

ART WALK

LAの夜のアートイベントはこれからも盛りだくさん。
美術館も金曜や土曜は夜もオープン、
ダウンタウンでは毎月第2木曜日に夜9時までART WALK というイベントがで開催されています。
秋の夜長、アートとともにLAの町散策もおすすめです。

http://www.downtownartwalk.com/

2008年10月10日金曜日

LAフィルハーモニック @Walt Disney Concert Hall

10月にはいり、LAフィルmusic centerでの LAオペラ、ダンスなど年間シーズンがスタート。ここLAも「芸術の秋」到来といった所です。今月はじめ年間席をサブスクライブしている友人の招待で、さっそくLAフィルのコンサートへいってきました。
会 場は、LAフィルのために 2003年に構想から12年もの歳月をかけて建てられたウォルトディズニーコンサートホール。建築家ゲーリーの代表作のひとつで、今やLAのイコン的存在 です。流線を描いて銀色に輝く外観は、見る角度によって異なる表情をもち、全くすごいとしか形容しようがないほど独自なスタイルを放って存在して います。スティールの外観とは一転してホール内はステージから天井にかけて全面ナチュラルな木製パネルに覆われています。内装はサ ントリーホールを手がけた事でも知られる日本の音響設計事務所によるものだそうです。 ここで音楽を聞くのは今回で2回目。
席の方はは大半が、年間のサブスクライバーで押さえられています。前回は、オーケストラ席で舞台は目の前、まず目に入るのが演奏者の靴というような席でした。船をイメージしたという流麗なホール内を眺めながめながら、どんな音が聞こえてくるのかわくわくと演奏が始まるのを待っていたのですが、予想外に音の方は固く、あまり感動を覚えませんでした。今回は、ピアニストの友人の誘いで、彼女がサブスクライブする席は2階のサイド。音は上に広がるので、音楽を聴くに は上の席の方がいいとのことで、そしてこの位置からだと、オーケストラ全体がよく見えて演奏者の様子もしっかり観察できるのだとか、彼女こだわりの指定席です。プログラムは、17年間に渡ってLAフィルの音楽監督を務め、今期が最後となるフィンランド出身の指揮者エサ=ペッカ サロネンによるもの、会場は満員状態です。一部の最後に演奏されたドビュッシーの「海」、波を思わせるようなバイオリンやハープの音色が美しく印象的で した。二部の最後は、ラヴェルの「ボレロ」。まずかすかにドラムの小刻みなリズムが聞こえてきます。その音はまるで時計の振り子のように正確に、そしてタンタンと途絶える事なく続いていきます。どこから聞こえてくるのか、その音の主を探し当てると、しばらくしてフルートの音が加わります。またしても音の在処を キョロキョロ、みつけた!とおもいきや、今度はオーボエが.....なんとも楽しい音の主探し、そして次第に曲は大勢の演奏家を巻き込んで大きなうねりに 発展していきました。ティンパニーやゴングの迫力ある音も印象的でしたが、なんといっても曲の最初から最後まで一糸乱れぬリズムを貫くドラムの音に感動させられました。演奏後、指揮者の指揮棒が数名の演奏者に向けられます。その中にはこドラムの演奏者の姿も!彼 が立ち上がると、待っていました!とばかり大きな拍手を送りました。生の音楽の素晴らしさを堪能できたコンサート でした。
今月下旬サロネン率いるLA フィルの演奏が、東京のサントリーホールでも催されるそうです。
musiccenter.org
LAOpera.com
laphil.org

ディズニーコンサートホールでは、LAフィルの他にも小ホールで演奏される Red Cat と いうシリーズがあります。こちらは新しい実験的な音楽やパフォーミングアートなど様々なスタイルのものが組み込まれたユニークなものです。プログラムをめくると、前日なんと往 年の前衛ロックミュージシャン、ルー リードが出演していました。今なおexperimentalな音楽を発信し続けているようです。
redcat.org