2008年5月16日金曜日

どこまでも青い海と青い空 Santa Catalina Island

四月の終わり、母の帰国の前に大西洋に浮ぶ小島、 カタリナ島(Catalina Island) へ行ってきました。島へは、LA近郊のロングビーチから高速船で一時間ほど、日帰りでも気軽に出かけていけるリゾートアイランドです。

四月のLAの気候は変わりやすく、こちらに戻ってきて暖かかったのは2~3日。母と過ごしたLAは、肌寒く、ジャケットが手放せないような日が続きましたが、この日は久しぶりのいいお天気に恵まれました。太西洋の海水の温度は低く、夏でも泳げないほどだそうで、海辺は寒いかもと、今回もしっかり上着を用意して出かけて行きましたが、ロングビーチの乗船場は、半袖半ズボンにサンダル姿の人々で一杯、「さあ、島でおもいっきりあそぶぞ~!」といった活気に溢れていました。

乗船するつもりの午前10時発の高速船は、既に満員御礼。今回の島行きは、全くの無計画、前日主人が出張から帰ってきて、急遽カタリナ島へ行こうと決めたこともあって、予約もいれずにやってきましたが、案の定。特に週末は、予約なしでは無理だということでしたが、早めに到着した甲斐があって一番目のスタンディングチケットをもらうことができました。そしてラッキーなことに一組だけキャンセルが出ました!「今日はついてるぞ!」と主人のいつものセリフで、いよいよ、夢のカタリナアイランドへ!

近いとは言っても島への船旅は、車で出かけるのとは大違い、なんだか未知との遭遇にでかけるような気分でうきうきしてきます。

運がよければ船からイルカの群れやクジラを見ることができるそうで、しばらくしてデッキにあがって見ましたが、見渡す限り大海原一色。立っていると高速船特有の揺れで船酔いの兆しを感じ、そそくさと船室に戻って島に着くまでじっとしていました。

いよいよ島に到着。
錨が降ろされロープで船が止められます。橋が渡され、さあ、いよいよカタリナ島へ足を踏み入れます。底抜けに青い空と青い海!! 船を降りながら覗くと、海の色は透き通って魚たちがいっぱいです。私たちの写真を撮るつもりで先に船を降りた主人の方は、「わぁ~魚!魚!」と夢中で魚の写真を撮り続けている始末。私たちの写真の方はどうなってんの??

カタリナ島は、LA南西35キロ地点に浮ぶ小島で、長さが35キロ、幅が13キロと、日本の淡路島よりも少し小さいくらいでしょうか。元々ネイティブアメリカンが暮らしていた所で、1854年にポルトガル人の探検家に発見され、その後は、カルフォルニアの歴史同様、スペイン植民地からメキシコ植民地の時代をたどり、現在にいたっています。
リゾート開発された歴史は古く、1890年代に遡り、その後1920年以降、チューイングガムで財を成したシカゴの富豪William Wrigley Jr. が彼の財産をつぎ込んで本格的なリゾート開発を行い、現在のカナリナ島を基礎を作ったそうです。島にはリグレー氏ゆかりの記念館もあります。シカゴでは、リグリーの存在は大きく、全米一美しい野球場として名高いWrigley Field もシカゴカブスのオーナーであった彼の名前を冠したものですが、ここカタリナ島がリグリー氏ゆかりの場所だったとは、世の中の出来事はなにかと繋がっているのですね。シカゴには3年ほど暮らしていたこともあり、なんだかカタリナ島に親近感が沸いてきます。ちなみに、シカゴカブスは当時毎年カタリナ島で春のトレーニングを行っていたそうです。
現在のカタリナ島、住人は4000人足らず、その大方が、今回船で到着したAvalon という港町に住んでおり、島の施設もここに集っています。他には北にTwo Harborsという港町があり、ここも風光明媚な場所として知られています。1900年初頭、無声映画時代の巨匠グリフィス監督がカタリナの風景を気に入り、映画を撮影したのをきっかけに次々とここで映画のロケが行われるようになり、その後1920年、30年代のハリウッド映画の黄金時代には、カタリナ島はロケ地のメッカだったそうです。比較的最近の映画では、「ロズマリーの赤ちゃん」や、「ジョーズ」といった映画がここで撮影されています。
二つの港町を除くとほとんどが、開発の規制を受けた保護区域となっています。車の持ち込みも規制されている為、観光用のツアーバス以外ガソリン車は見当たらず、住民は移動にゴルフカートを使っているそうです。

さてそんな島に着いた私たち。なんらあてなし3人組は、顔を見合わせて「なにする~?」 
せっかく島まで来たんだから「風まかせでのんびりいこう」と。(暗黙の了解)。
とりあえず観光案内所でパンフレットをもらい目を通して、島の概要を頭に入れることに。
ここでのアクティビィティーは、マリンスポーツに釣、もしくは、ツアーバスで回る観光のどれかということのようで、観光は、車が使えないのでツアーも陸、海両方用意されています。ここには、アメリカのシンボルでもある、バッファローやイーグルといった動物も観られるということで、島の風景と合わせて見て回る陸のツアーも人気のようですが、今回は、海を楽しもうと、イエローサブマリンの水中翼船でのお魚ツアーに参加することにしました。出発までの待ち時間、町を散策、船着場から歩いて直ぐのところに町があり、そこにお店やレストランなどが集っているので便利です。

お魚観察ツアーは、「THE SEA VIEW」 という船の底からのぞいて見るものと、「THE NAUTILUS」 という水中翼船のものと2種類があります。水中翼船は初めてで今回こちらに決めました。水中翼船といってもセミ サブマリンで、船室部分だけ海中に沈み丸い窓から魚を観察するようになっています。                      




ガイドつきの45分間の海中の旅、透明度の高い海で保護区域内の海の魚の群れや海藻の群生もたっぷり見ることができます。スポットごとに餌を撒いたり、緑の光を発光したりして魚を呼び寄せるると、魚たちがいっせいに船にぶつかるように集まってきます。大きな魚に混じって鰯のような小魚の群れが印象的です。特に目を引くのが体長30センチほどのGaribaldi という鮮やかなオレンジ色の魚。モントレイ沖から南カリフォルニアの大西洋で見られるこの魚はカリフォルニア州の魚に指定されていて、捕獲すると高額な罰金が科せられるいう話でした。
丸い窓から顔をこすりつけるようにずっと魚を追いかけていると、自分も魚になったような気分で、海の中を泳いでみたくなりました。
あっという間の45分間。魚との一体感はなかなかのもので、3人ともまるで5歳児くらいに戻ったような気分、母とのジェネレーションギャップも何処へ?といった感じです。


沖に上がって、お腹も減ったところで、目指すは海辺のシーフードレストラン「アームストロングス」。
ツアーの前、町を散策中に目をつけて置いた場所です。ランチを取る客もひと段落したところとみえ、海の眺めが最高のデッキのテーブルに座ることができました。ここは、魚市場も営む老舗のレストランらしく、どれもシンプルなアメリカの魚料理ですが、魚が新鮮でおいしかったです。この後の予定もなく、海の風景を楽しみながら、ゆっくり食事を楽しみました。
桟橋からずっと入江沿いに町の目抜き通りがあり、先には、円形の巨大な建物が見えます。カタリナのランドマークともいえる「カジノ」と呼ばれる建物で、最初耳にしたときは、なんでこんな都会の喧騒を離れた島にカジノがあるの?と思ってしまったのですが、ここのは、ラスベガスのカジノとは異なったものでした。casino はイタリア語で、「social gathering place 」、「人の集まる所」というのが本来の意味だそうです。カタリナのカジノは、1929年にリグリーの監修のもと建てられた世界一大きな円形のダンスホールと劇場を併せ持つ建物だとわかりました。ギャンブルとは全く無縁のソーシャルな場所で、当時アルコールもご法度だったとのことです。


アールデコの装飾が美しい建物で、建物内もツアー見学ができるようですが、あいにくこの日はお休みでした。劇場は今も映画館として使われているそうです。建物の一部が、カタリナ島の歴史を紹介したミュージアムやギャラリーとなっています。
カジノの周りは公園になっていて、直ぐ先にはビーチが広がっています。円形の建物を一周するように回ると裏は、ダイブポイントになっていて、ウエットスーツに身を包んだダイバーでにぎわっていました。

入江の先にはカタリナのランドマーク「CASINO」が。
             海は透き通ってとてもきれいです。

島のどこからも見える青い海と空は、そこにいるだけで心と体を元気にしてくれるように思います。


カタリナでは、陶器やタイルがさかんに創られた時代があり、今では、高値のコレクターアイテムとなっているらしいですが、町の古い建物や噴水、また歩道の壁などの装飾にタイルが使われ目を楽しませてくれました。、町並みも地中海風で、ほんのり異国情緒を感じさせてくれます。そんな町並みをそぞろ歩きながら帰りの船を待ち、6時の便でロングビーチへ。

のんびりとした島時間を楽しんで帰って来ました。

  町の中にはタイルや壁画がそここに見られます



この日は一日中快晴で、ロングビーチからの帰途、車窓からきれいな夕日が見えました。
母の方は明日いよいよ帰国、LAの最後の夕空はきれいな茜色に染まりました。


五月に入り、カタリナアイランドは今、島の名物「飛魚の飛翔」が見られるシーズンを迎えています。

2008年5月3日土曜日

LAは花盛り

日本からLAに戻ってきていつもと違う風景に驚きました。緑は冴えて、木たちはみんな色鮮やかな花を身にまとい美しく変身していました!





四月のLAはどこも花盛り。今回、母と共に訪ねたLAの春の様子を紹介していきます。




まずは、我が家のコンドの中庭。母に住まいを紹介がてら、久しぶり中庭に入ってビックリ。ポピーなど色とりどりの春の花が花壇を覆う中、芝生の中にになんとも見覚えのない真紅の大きな花を一杯咲かせた木が目に飛び込んできました。木の幹や枝が赤茶色で、赤い花とのコントラストがとても南国風。ふっと頭をかすめたのが、まだ見たことのない、沖縄で赤い花を咲かせるという「デイゴの木」。沖縄の歌に出てきてずっと気になっていたこともあり、今回ブログに紹介するに当たって調べてみましたら、勘は当たっていました!デイゴの花に間違いなさそうです。こちらでは、姿形から「Coral Tree 」とも呼ばれるようです。その後LAの色んな所で見かけました。
                                         コンドの中庭に咲くデイゴの花

近所を散歩がてら、前期ESLに通ったビバリーヒルズ高校への見慣れた道を通って。



ここでもいつもと違う風景に。通りには一面ピンクの花をつけた木々が!まるで桜並木のようです。
遠目からは桜のようですが........近づいてよく観察してみると、つつじにそっくりのピンクの花でした。


カルフォルニアではつつじも大木となるのでしょうか?? 


そういえばこちらの羊歯も幹がぐんぐん伸びてまるで木のように茂っています。



ともかくピンクの花は春の香りがします。並木道を歩きながらまるでお花見気分です。

これは、「Silk Tree」とよばられ、色んなタイプのものがあるようです。                            まるでツツジの大木のようなシルクツリー



とにかくどこをを歩いていても、日本ではお目にかからない木の花が至る所に出現、LAの春を満喫です。

さて、次にLA近郊の花の名所をいくつか紹介していきます。どこも花に溢れ春爛漫でした。




The Huntington

まずは、高級住宅地として名高いパサデナの南に位置するサンマリノ市にある「The Huntington」。


ハンティングトン・ライブラリーと呼ばれて親しまれています。ここは、1919年に鉄道と不動産業で財を成したヘンリー・ハンティングトン 氏によって建てられた大邸宅で、敷地内にはそのコレクションで有名な図書館や3つの美術館といった建物群と共に広大な植物園があります。植物園のバラ園が有名でちょうどこの時期見頃なので出かけていきました。サンマリノの住宅地に入ると、目を見張るような邸宅がずっと続きます。どこの家も庭の手入れが行き届き、花々がとてもきれいです。しばらく行くと道を突き当たるようにハンティングトンの敷地に到着します。



ゲートをくぐってまず、いくつかある駐車場のひとつへ車をとめロットをチェック。「Willow」という場所であることを確認し、ふっと目の前を見上げ驚きました。柳の化け物のような大樹がどっさり葉を茂らせ、そこに赤い実のようなものを一杯につけて立ちはだかっています。ウワァ~!!これって柳?? 葉っぱは、花札の「雨」のような感じ。「Weeping Willow」と呼ばれるやつかな? 知りたい気持ちが湧き上がりますが、周りには職員らしき人も見当たらず、大柳を後に入り口へ。道中、ここでもSilk Flowerが満開です。
             柳のお化け?赤い実(花かも?)が目を見張る



植物園には、バラ園やシェクスピアガーデンといった英国式庭園、これも規模が大きく本格的で人気の日本庭園や最近新たに登場し話題の中国庭園、他にもサボテンガーデンや温室など見所が色々あります。



今回は、バラ園を中心に鑑賞、世界中の数多い品種のバラを鑑賞することができ、バラ好きには申し分ない場所のようです。ギャラリーでは、今年でバラ園ができてちょうど百年ということで特別展が催されていました。バラのコレクションのさきがけとして有名なナポレオンの妃ジョセフィーンのバラ収集の足跡をたどりながらバラの原種や年に二度咲く中国や中央アジアのバラがヨーロッタパに紹介され多くのバラの品種を生み出した経緯などが紹介されています。バラと一口に言ってもほんとに数限りない品種があるのにはいつも驚かされます。



バラ園内にあるティールームも人気で今回予約をとり(事前に予約をしないと入れないのご注意を!)行ってきました。バフェトスタイルのアフタヌーンティーでなんと食べ放題。スコーンがとてもおいしかったです。
                               







                               満開のバラと笑顔



後は、日本庭園を散策して、時間切れとなってしまいました。ここの日本庭園は規模も大きく本格的で驚いたことには大徳寺の石庭の写しもありました。



園内は広くまた閉館も5時と早めなので全部見て回るなら午前中から来て一日かけて回られことオススメします。





            ゆったりとした回遊式日本庭園



                                                       
                                             



Self-Realization Fellowship Lake Shrine

次は、私のLAでのとっておきの場所、サンタモニカの隣町、パシフィックパリセイドにある、Self-Realization Fellowship(SRF) のリトリート、Lake Shrine をご紹介します。






ちょっと名前が長いのですが、SFF は、インドのヨギ、パラマハンサ・ヨガナンダによって1920年に設立された、あらゆる人種、宗教、文化を超え、瞑想を通じて真我を探求することを提唱している国際的な非営利団体です。氏はヨガの教えを通じて広くアメリカに東洋の精神世界を広め、アメリカのみならず世界中の人々に大きな影響を与えた人物として尊敬されています。自叙伝はアメリカでも広く読まれ、日本語版も「あるヨギの自叙伝」として出版されています。LAにはハリウッドにもテンプルがあり、瞑想やヨガのクラスが行われています。







ここLake Shrine は、サンセットブルバード沿いの小高い丘にあり、Meditation Garden 「瞑想の庭」と呼ばるリトリートです。一歩足を踏み入れるとそこはまるで別世界。緑と季節の花に彩られ、空気がとても清浄に感じられます。白鳥が泳ぐ蓮池の周りを巡るように庭園があり、緑と花に覆われた道沿いには、そこここにベンチが置かれ、静かにたたずむ人、瞑想する人も見られます。水車小屋や、瞑想の小屋もあり、そして、ガンジーの灰が納められたお墓もあります。そこは「Ganji World Peace Memorial」と呼ばれ、一面緑の芝が敷かれた特別な空間です。とこに佇むと、とても敬虔な気持ちになり、自然に手が合わさります。生前、ヨガナンダとガンジーとは、厚い親交があったそうです。

       
宗教を超え誰でも入ることができ、メディテーションルームや庭にはヒンズーのクリシュナ神やキリスト、ブッダ、の肖像絵や、彫像、ユダヤ教やイスラム教のマークなども見られます。

自己に内在する神との対峙が大切とされ、どの神かは問題ではないのです。

Ganji World Peace Memorial


すべての神々を飲み込むヒンズー教の底流にあるインド的宇宙観みたいなものが感じられます。

                    
ここではいつも穏やかな時間が流れていて、無料で開放されているのですが、不思議とだれもこの場所の空気を乱すような人はやってこないようです。ほんとうに特別な場所です。      







まさに、LAの都会に佇む理想郷です。

                                         庭のクリシュナ像



                         

  お花畑の中のブッダ









The Getty Center


最後は、石油王ポール・ゲティーにより設立された一大美術複合施設ゲッティーセンター。人類・美術史研究所や、いくつもの美術館、庭園などがあり、ロサンゼルス市を一望できるサンタモニカ山脈の麓の丘の上に建っています。




駐車場に車をとめ、美術館へはトラムで出発します。なんだか遊園地へ行くような気分でワクワクしてきます。「日常生活から脱出」を意図して考案されたトラムは、五分ほどして丘の上の壮大なセンターに到着。建築家リチャード・マイヤーによって設計された美しいフォルムのモダンな建物が現れます。目の前の大理石の階段を上がって美術館の入り口へ。東西南北それぞれの方向から眺望が開けています。ここからの眺めは、山と海に囲まれたロサンゼルス全体を一望できるものでまさに圧巻です。







美術館は無料で公開され、東・西・南・北の4館と、特別展のパビリオンの5館があり、美術品の多くは、古代ギリシャやローマの古美術、バロックやルネッサンスの絵画、そしてヨーロッパの装飾美術が中心ですが、西館では、印象派や写真のギャラリなど近現代のものも観ることができます。






ゲティーセンターは、美術館同様、庭園が見所で、特に芸術家ロバート・アーウィンによる中央庭園は「庭の彫刻」と称され芸術作品同様に扱われています。






庭園の円形の迷路は多彩な花々で埋め尽くされ、そしてこの時期バラやジャスミンも満開で、色彩浴、芳香浴共に楽しむことができました。まさに「春からの贈り物」ですね。




                                                 
                                   中央庭園 LAの町が一望

五月に入り、今ジャカランダの花が満開です。薄紫色の花を咲かせ、人々の目を楽しませてくれています。まるで印象派のモネのような色彩。またLAに新たな彩を添えています。

                            ジャカランダの花咲く並木道

2008年5月1日木曜日

大人のディズニーランド、ラスベガス

LAに戻って中一日、日本からの荷物もそのままの状態で母とまずラスベガスに出かけて行きました。

ラスベガスはお隣のネバダ州になります。LAから車で5時間ほどの距離。
夕方の4時過ぎ、まだまだ太陽は高いですが、昼の日差しの強さが多少和らいだ頃を見計らって出発。高速をパサデナの町がある山の方向に向かって走ります。いつも遠目に眺めている山にどんどん近づいていきます。近くで見る山は、まるで緑の絨毯を敷き詰めたようにきれい。麓を見ると、緑の中に黄色い花が一杯咲いているのですが、山全体を観ると緑一色でベルベットのよう。木々は鮮やかな緑の葉に覆われ、まさにLAは、新緑の真っ只中です。今年は冬に雨が多く花の色が鮮やかだと聞いていましたが、緑も例年以上に冴えわたっているようです。新緑の山並みを眺めながら今度は高速15号線に突入、その後はずっとラスベガスまで走り続けます。だんだんと緑の山が遠のき、遠くラスベガスの方向にはベージュの岩肌の山が見えてきます。ラスベガスに着くまではしばらく何もない砂漠が数時間続くということなので、手前の町で給油を兼ね休憩、全米至る所にある、スターバックスでコーヒーを飲みながら、ちょうどタイミングよく山に沈む夕日を眺めることになりました。太陽の沈んだ後の夕焼け空の下、後はひたすらラスベガスを目指してハイウェイを一路。 ただひたすら一直線の道が続きます。



しばらく行くとラスベガスの手前にアウトレットモールのある町が2件ほど見えてきます。その内のひとつプリムという町のモール内のホテルに、「俺たちに明日はない」の映画で有名な伝説の強盗、ボニー&クラウドが実際に使っていた車が展示されているそうです。行きは、寄り道せずに町を横目に素通りし、ラスベガスの町に直行しました。

ラスベガスの町は、なんともゴージャスなホテルの連立とネオンに圧倒されるよな第一印象でした。勝手に抱いていた場末のカジノの町とは大違い、豪華絢爛なアミューズメントパークにたどり着いたような感じです。

とりあえずホテルにチェックイン。The Strip という一連のホテルが立ち並ぶ通りに私たちの泊まるホテルがあり、ロビーに入ってそのスケールの大きさにびっくり。
10時を過ぎての到着となり、まず、まだ開いてそうな近場のレストランを尋ね、遅い食事にでかけることにしました。幸い泊まったホテルにもう一つの別のホテルの建物とつなぐような形でイタリアの水の都ベニスを再現したテーマパークのようなショッピングモールがあり、その中に紹介されたレストランが2件ともありました。今回スシバーもあるベトナム料理の「TAO」というレストランに行って見ましたら、これまた入ってびっくり。レストランの中に巨大な仏像がど~ん、と鎮座。それがまた半端じゃない大きさなのです。入り口にも仏像が並び、ガラスケースには象牙の工芸品のコレクションが飾られています。食事の後店内を観て回り片隅に美しいターラ菩薩像を見つけました。とても話題の高いレストランだそうで、近々2件目がまたラスベガスにオープンするそうです。レストランの味は二の次として一見の価値ありです。

                         レストラン「TAO」の中の仏像、その大きさにビックリ

ホテルの窓からは、ラスベガスの夜景が見事。
時差ぼけもあり、その日はバタンと倒れるように眠りに込み、翌朝はこれまた時差ぼけで早くから目覚め、母と二人ラスベガスの町を散策。といっても外は照りつけるような太陽の日差しで歩くのはつらく、テーマパークのようなゴージャスなホテルとその中にあるショピングモールなどいくつか回ってみました。 どこもホテルは例外なく一階がカジノになっており、昼間からゲームを楽しむ人々でにぎわっています。こう言ってはなんですが、母とこれって日本のパチンコ屋みたいだね~と言いながら通り過ぎておりました。

                                 天井を飾るchihulyの「Fiori de Como」   
訪ねたホテルのうち私のお気に入りは、「Bellagio」。
このホテルのロビーにガラスの造形作家 Dela Chihuly の作品があると知り出かけていきました。


ここのホテルもとても大きくて、入り口からショッピングモールを通り抜けてロビーにたどり着くまでにはしばらくかかります。ショップは、世界の一流店が目白押しで、ウィンドーのデコレーションやインテリアがセンスよく素敵です。ようやくロビーにたどり着いて、絶句!Chihuleyのガラス作品はロビーの天井一面を覆っていました!第一印象は、ガラスでできた色とりどりの雲という感じでしたが、近づいてみるとひとつひとつベネチアングラスでできた無数の花の集合体でした!! 


ロビーに隣接して室内庭園があり、そこにもガラス作品が、いくつか。これは、確認したわけではありませんが、きっとChihuley の作品に違いありません。初めて彼の作品に出会ったのは、シカゴのGerfield Park Coservatory (温室)で、Chihuley のガラスの植物と自然の植物が違和感なく交じり合って美しい別世界を作り上げていました。今回思いがけなくラスベガスで再会することになり感激でした。
                                       ホテル「ベラッジョ」の室内庭園

他には、向かいにある「Palis Hotel」、エッフェル塔をはじめパリの町並みが再現されています。ちょうどエエッフェル塔のところにガジノがあり、カジノ内には塔の足の部分が突き出しインテリアの一部となっていてユニークです。「Bellagio 」の隣には、ラスベガスを代表する「Caesars Palace」 がそびえており、テーマは古代ローマということで、エントランスには、ニケ像やシーザー像などが飾られスケール感たっぷりです。中には入りませんでしたが、ここのショッピングセンターも人気だそう。      
 
               パリホテル
               

ラスベガスはまさにショッパーパラダイスといったところでしょうか?!
それぞれのShop もラスベガスならではのスケールで並んでる商品もゴージャス。ウィンドーショッピングにはもってこいです。

最後は、「WYNN」へ。世界で最も高額な建築費をかけた豪華ホテルだそうです。私たちの泊まったホテルの直ぐ隣にあり、夜ここで催されていいる、シルク・ドゥ・ソレイユの「LE REVE」 を観てきました。

日本でもすでにおなじみのシルク・ドゥ・ソレイユ、ここラスベガスのショーは他の都市とは違い舞台の仕掛けが独特でスケールが大きいと聞いていたので、迷わず観る事にしました。ただ演目が5種類もあり、どれにしようかと・・・今回は、水を使った舞台装置で今までにないものというのが決め手で、「RE REVE」を、チョイス。

ショーは、舞台一面に円形のプールがセットされ、おなじみの空中ブランコなどでは天井近い高さからから役者が次ぐから次へと小気味よくプールに飛び込んでいきます。水しぶきが観客席まで飛ん来るから迫力も満点。陸そして水中でのダンスも織り交ぜて音楽もJAzzyでアップテンポ。色っぽく、同時にコミカルな、ラスベガス風演出のしゃれた作品でした。
ちなみに「RE REVE」はフランス語で、「夢」。まさに一幕の夢の世界でした。

ラスベガスは、カジノにグルメにショッピング。世界のいわゆる一流所が一同に集まったテーマパークといったところでしょうか?ただどれもスケール大きく、さすがアメリカという感じでした。



「アメリカに行くなら東から入った方がアメリカをよく理解できる」、という言葉がふと頭をよぎります。


アメリカは西に行くほどんどんアメリカらしくなる。 東のヨーロッパの残骸が西に進むほど薄れていき、西でアメリカの生んだ文化が誕生。それはまさにテーマパーク!?

今回ラスベガスを訪れて、そんなことが実感として感じられました。




デイズニーランドがアメリカのテーマパークの落し子なら、現代のラスベガスはさしずめ、ゴージャスな大人のディズニーランドといったところでしょうか?



ラスベガスにはコンフェランス会場もいくつかあり、ホテルからモノレールで移動できます。
またデスバリーやグランドキャニオンといった国立公園にも数時間で行け、日帰りのツアーも出ているので、観光にもうってつけ。LAまできたら足を伸ばすにはオススメです。





              夕刻の空に広がる不思議な雲 建物はシーザーパレスの一部