2008年7月23日水曜日

誕生日と赤い自転車

今日は誕生日。人生も後半戦にむけてまっしぐらです。

昨晩母から「おめでとう!」との電話が入り、「まだ22日だよ。」というと、「日本はもう23日。」との返答。あっそうか!と今更ながら時間というもののつかみ所のなさに不思議な思いでした。目に見えない時間を計る物差しが数字なら、年齢に表される数字もまた存在して無いがごとし、なんて、都合よく解釈。時間というものもまた、見えなくても存在する心のようにとらえようがないものですね。

今年の夫からの誕生日のプレゼントは、赤い自転車。そのことを伝えると、「じゃあ明日は自転車に乗らないとね〜」と母らしい言葉が返ってきました。


そして今日はLAタイムの23日。母の言葉通り、プレゼントの自転車に乗って近所を一巡りすることに。とりあえず、行き先は夫のジョギングコースの近所の公園。夏の午後の日射しの中、公園では実にいろんな人たちが楽しんいます。ピクニックテーブルを使ってストレッチをする二人組。あんな使い方もあるんだなと感心しながら通り過ぎると、今度は同じくテーブルでトランプに興じるおじいちゃんたち。まるでセザンヌの「カード遊びをする人々」の絵の世界を観ているようです。砂場で遊ぶ子供達とその傍らでおしゃべりに忙しいママさん集団、日本と同じような公園のワンシーンです。自転車から眺める風景は、町の日常を色濃く映し出して、車で一気に目的地に向かうのとは時間の流れも全く違って新鮮に感じられます。なんだか映画のシーンをながめているような気がしてきます。たまにはこうしてゆっくり自転車のペダルをこいで町を眺めて走るのもいいものです。


プレゼントの自転車は、Gelley 製の赤い自転車。家まで乗ってかえって来れるよう近所の自転車屋に出かけて行きました。
きっかけは、メルローズの街を散策中にたまたま自転車屋で目にしたビアンキの白い自転車でした。小さめでちょうどいいサイズで急に自転車に乗りたくなり、ビアンキを取り扱う近所の自転車を調べてでてきたのがBeverly Hills Bike Shop。家族で経営する地域密着の自転車屋さんです。電話をすると親切な応対で早速出かけていくことにしました。

そしてそこで薦められたのが、ビアンキならぬ Gary Fisher の 自転車。LA警察も使っているよとの太鼓判、店に居合わせたお客さんもずっとこのメーカーの自転車を愛用していると加勢する始末、おまけにLifetime Warranty との一押しで、ここはアメリカ、イタリア製のビアンキに勝ち目なし。男性仕様しかないものの、小さいサイズのマウンテンバイク用の自転車を町乗りにもいけるようにハイブリッドのタイヤに変えてもらい、その日即ピカピカの赤い自転車で家まで帰ることとなりました。あとで、調べてみて、Gery Fisher は、マウンテンバイクの創始者で、バイク通にはよく知られたメーカーだとわかりました。

自転車に乗るのは、久しぶり。それも去年10月渡米直前に自転車のハンドルにかけた傘が車輪に挟まり、自転車ごと派手に転倒して以来のこととあって、最初は緊張気味でしたが、しばらく走ると段々肩の力も抜けてルンルンと鼻歌まじり、夏でも天国の様なLA夕方の風に吹かれながらのサイクリングは爽快です。


さて、話を戻して、、、本日誕生日のバイクルートの方は、近所の公園をひと回り、そしてその後、家から一番近いスーパ "OWEN'S" に寄って帰ることにしました。スーパーの袋をバイクのカゴに載せ住宅地の中を抜けて帰る途中、庭の芝生に水遣りをしていた女性が、「そこのスーパーなら配達してくれるわよ」と声をかけてきました。

「自転車に乗りたい気分だったので、」と答えると、とニッコリと笑顔を返してくれました。

 LAで初めて迎えた誕生日です。


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