2009年2月23日月曜日

みなぎるインド パワー

81st Academy Awards

昨日は、第81回のアカデミー授賞式が例年通りLAのハリウッドにあるコダックシアターで行われた。今年は授賞式当日までにノミネート作品を観ようと、一月せっせと映画館に通った。結局昨日までに観たのは、"SLUMDOG MILLIONAIRE" "MILK" " FROST NIXON" の3本となったが、それでも今年のアカデミーは例年以上楽しめた。

今年見事に作品賞に輝いたのは、"SLUMDOG MILLIONAIRE"。インドの大都市ムンバイを舞台としたインドのエネルギーみなぎる作品。今回なんと8部門で賞を総嘗めという華々しい結果となり、先月行われたゴルデングローブとのダブル受賞という快挙であった。私も今年最初に観た一本で、その躍動感あふれる映像を通じ、みなぎるインドパワーを体感、今回受賞したテーマ音楽、"JAI HO" の熱いリズムにのり、ムンバイのスラム街を命がけで走り続けるたくましい孤児達のキラキラとした目の輝きが印象深い作品だった。 
             週末ジョギングの途中目にした、Fox Studioの 巨大な看板
そして次に観たのは、"Milk"。これは、初めてゲイであることを公表してサンフランシスコで政治活動を行ったハービーミルクを描いた自伝的映画で、ハービーミルクというとてつもなく人間味あふれる人物をショーン・ペンが、見事に演じきり主演男優賞を受賞した。個人的には3本中最も感動した作品で、ショーン・ペンはまるでハービーミルクその人。その演技はまさに技量を超えた素晴らしいものだった。 

そして今年はなんと、日本の作品「つみきのいえ」が短編アニメ賞を、「おくりびと」が外国語映画賞に輝くという結果!何とも喜ばしいアカデミー賞となりました。


今年のアカデミーであふれたインドパワー!
エスニックの宝庫LAにはありとあらゆるエスニックタウンが存在し、インドタウンもまたしかり。車で30分ほど高速をとばせば、LITTLE INDIA とよばれるアルテジアという町に到着します。一度インド料理のスパイスを買いにでかけましたが、食材に限らずサリーやインテリア用用品などインドグッズを扱う店も軒を並べ、値ごろで本格的な味のインド料理店とともにちお手軽なインドへの小旅行気分が味わえます。このところは、映画"SLUMDOG MILLIONAIRE" の影響で、町はにぎわいを増しているそうです。



INDIAN CUISINE


そんな中、私の方は、一月から再びインド料理のクラスに通い始めました。近所のビバリーヒルズ高校で行われているアダルトスクールのWinterプログラムで、毎週水曜日の6時15分から9時15分まで3時間、講義と実習、そしてみんで作った料理を食べて、後片付けと充実の内容です。そして先週で5回のクラスがすべて終了となりました。
講師は、バングラディッシュ出身のNoorani先生、長年ビバリーヒルズでインド料理を教えているベテランです。クラスメートはほとんどがリピーターのようで、クラスは第一回目から既に和気あいあい、そしてなんともまあみんなよくしゃべること! 初日は、先生を含めみんなのとぎれることのないおしゃべりの連続にすっかり圧倒されました。皆さん相当食べることがお好きなようで、料理をしながらも、どこの何料理が最高だとか、レストランの品定めに始まり、食材から果ては鍋、釜に至るまで話す内容は、ほとんど食に関することばかり。よくまあこれだけ話すことがあるもんだと最初はあきれるやらおかいいやらでしたが、回を重ねるごとに今ではすっかり打ち解けて、仲間意識も芽生えてきました。同じ釜の飯を食べると、言葉の壁もなんなく超えられるものです。








上:Noorani先生を囲んでみんなと

下:いつも笑顔でチャパティーを焼いてくれるChristian



インド料理をスタートしたのは、数年前。ヨーガからインドの伝承医学であるアーユルヴェーダに興味を持ち、そしてインド料理にも波及していきました。今ではもう店はなくなってしまいましたが、東京の広尾にあったビンディーというインド家庭料理のレストランのオーナーでインド料理研究家のミタ・メーラ先生からインド料理を習い始めました。月一回先生の自宅で、こちらもまた和気あいあいあい、話好きな先生を囲んで話題はいつも料理を超えてはずみ、インド料理好きの仲間と過ごす実に楽しいクラスでの集いでした。http://www.miramehta.com
ミタ先生からインド料理のスパイスのいろはを学び、インド料理に開眼、スパイスの魅力にどんどんはまっていきました。
一口にインド料理といってもインドは広し、地域によって使うスパイスにも特徴があり、食材も味も様々です。"SLUMDOG MILLIONAIRE"の舞台となる西インド、ムンバイ出身のミタ先生の味はデリケートでやさしい家庭の味が持ち前、そしてバグラディシュ出身のNooraniの作るインド料理は、スパイスのアクセントが際立つパンチの効いた味付けです。
今回の5回のクラスの中で忘れられない味は、先生の親戚に不幸があってクラスが突如キャンセルとなり翌週に延期された3クラス目のレシピ。その日は、材料を揃える時間がなかったということで、手近な食材を使った野菜料理中心の数皿となり、そこに登場した卵カレーに、人参ライス、そしてカリフラワーの炒め物のおいしかったこと!どれもシンプルながら絶妙なスパイスのバランス。特にカリフラワーの炒め物は、今まで食べたどんなカリフラワー料理よりおいしくこれがカリフラワー?!と衝撃的な出会いでした。シンプルな料理にこそ宿るインド料理の力、実感でした。
また、Nigellaという独特の風味を持つスパイスやJaggeryなる甘酸っぱい味の固形のそのまま口に入れてもデザートのようにおいしいパームシュガーなど、新しい味覚との出会いもあり、更なるインド料理の魅力を発見する機会となりました。

今週からは、新しいNoorani の"Indian Chutneys "のクラスがスタートします。トマトやマンゴ、パイナップルなどいろんな野菜や果物を煮詰めて作る保存食 で、インド料理のアクセントに欠かせないChutney、今回タマリンドの使い方などもしっかり学べるとあって続けて通うことにしました。

インド料理に代表されるスパイス料理はまさに薬膳。スパイスは、単なるアクセントではなく、からだを暖めたり冷やしたり、また消化促進、血管強化と、体のメンテナンスにすばらしい効果を発揮します。その組み合わせで、料理の味が変わるだけでなく体への働きかけも違ってきます。
そしてまた香りとの相乗効果で、体だけではなく、心をもバランスしてくれます。
一度スパイスの使い方を学べば、あらゆる料理に応用でき、生涯の宝物となること間違いなしです!



 チチンプイプイ!と、ふたを開けるだけで幸せになれる魔法の箱、スパイスボックス。

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