2009年6月9日火曜日

Malibのインド寺院と古代ローマ邸宅

Sri Venkateswara Temple

6月に入ってもすっきりしないお天気が続いているLAですが、週末の日曜日は朝から気持ちよく晴れ、LAの町からもほど近いサンタモニカベイの海沿いに広がる美しいビーチタウン、マリブ へと出かけていきました。まさにマリブ日より!マリブと言えばサーフィンにセレブの豪邸といったイメージですが、今回出かけた先は、ビーチならぬ、 Sri Venkateswara Temple、別名Marib Templeとしても知られるヒンズー教のインド寺院です。昨今頻発している山火事でも知られることになったマリブ、海を背景にすぐ目の前にはサンタモニカマウンテンの山並みが広がり、山と海に囲まれた実に自然豊かな景観です。そんなマリブの町の山側、Calabasas の丘の麓にSri Venkoteswara Templeの白亜の寺院がたたずんでいます。
               
        青空の下、眩しい白さ!Sri Venkoteswara Temple
マリブの山道にをたどり、緑の丘から突如目の前に現れた真っ白な建物! 青空の下、あまりにも美しいコントラストを放っています。そしてここもまた、先月訪ねた台湾のHsi Lai Temple、先週のWat-Thai Templeと同様、本国(南インド)の伝統的な建築様式で建てられた本格的なスタイルを持つ寺院でした。まず目に入るのは、お寺への入口となるgopuramと呼ばれるピラミッド型の石造りの塔。外面には龍や獅子、蓮の花など様々なモティーフの彫りものが施されていてとてもデコラティブです。そのエキゾチックな様を見ているだけで、もうはるかインドにやってきたような気分になります。信者の人たちに見習ってまずは外で靴を脱ぎ、裸足になって中に入って行きました。そこには、中央の大きなお堂を真ん中に四方に小さなshrine、聖堂があり中にはラマ、クリシュナといったヒンズーの神様が祀られています。信者に混じって、まず小さなお堂を順番に回り、神様にお祈りをします。既に石の床は太陽をあびて足の裏はぽかぽかと暖かく、裸足でお堂を回っていくのは何とも気持ちのよいものでした。そして最後本堂へ入っていくと、数名の僧侶に混じって一人オレンジの衣を身につけた長老らしきお坊さんの姿が見受けられました。その独特の風貌、醸し出される雰囲気に突然奥深いインドの山村に迷い込んだかのような戸惑いを感じました。祭壇の方に足を運ぶとそこにははシバ神のシンボルであるリンガムが祀られています。しばらくして若いお坊さんが祭壇にやってきて何やら儀式のようなものが始まりました。まず最初に花の汁のようなうす黄色の聖水が手のひらに注がれそれを口に含むと、次には真鍮の椀のようなものが順番に頭にかぶされていきました。これまた見よう見まね、流れに任せて儀式は知らない間に始まりそしてとどこおりなく終わっておりました。初めてのヒンズー教の礼拝に神妙な気分です。

大黒天に、毘沙門天に、弁財天と、日本の神々もまたヒンズーの神々の生まれ変わり。「すべてを呑み込むヒンズー教、、、」とあった本の中の一節がふと頭に浮かんできます。
お寺を出ると、再びそこにはカルフォルニアの青い空が広がっています。その青空の中でひと際白く輝くインド寺院。
ここはインドか? はたまたアメリカか?
空に境があるじゃなし、世界はひとつにつながっています!

  Sri Venkoteswara Temple: 1600 Los Virgnes Canyon Road, Calabasas, CA 91302
   アメリカにおけるヒンズーコミュニティーの礼拝堂として地域のボランティアを中心
   に運営され、一般にも開放されています。



さて午前中ヒンズー寺院でお祈りを済ませ、午後からはマリブの海沿いに建つ、古代ローマの邸宅、The Gettty Villaへと一足飛びです。
海岸線まではマリブの渓谷沿いの道を通り抜けることとなりました。道路には、"Sceanic View" とのサインが!しばらくすると渓谷の谷間を縫うように飛ぶヘリコプターに遭遇、そして私たちの車と並ぶようにしてすれ違います。ワァー!と歓声をあげるやいなや今度は、対向車線にフェラーリの車が次から次へと轟音をあげて通りすぎていきます。その数は際限なく赤,黄、緑、紫、 etc. と実にカラフル。つい先ほどのインド寺院から一転、今度はまるでハリウッド、映画の中に入り込んだかのような世界にここはマリブとガッテン!

さていよいよ右手に緑のキャンパスが見えてきました。サンタモニカベイを目の前に臨むPepperdine大学 のマリブキャンパスです。なんとも素晴らしい眺め! そして目の前はもう海です!!
そこからは海沿いをしばらく走るとゲッティ・ヴィラに到着です。















The Gettty Villa



高級邸宅地として知られるマリブの海沿いに建てられた、石油王 J•ポール・ゲッティー の邸宅The Gettty Villahttp://www.getty.edu/visit/
現在は美術館として、ギリシャ・ローマの古美術品の収集家として知られるゲッティー氏のコレクションが一般に公開されています。コレクションの公開を目的に美術館として開館したのは1954年に遡り、その後火山の噴火で埋まった古代ローマの邸宅パピルス荘を復元する形で新たな建物が建造され、1974年にゲッティ・ヴィラとして新たに開館したそうです。1997年、ロサンゼルスの名所としても有名なゲッティーセンターがオープンする半年前一時改装の為ながらく閉館となっていたのですが、2006年に再びオープンされ今とても人気の高い美術館です。
入場は人数を制限しているため、ネットで予約をいれなければなりませんが、ゲッティーセンター同様、入場料は無料、駐車料金の10ドルのみで入館できます。
海を面した一号線沿いに、邸宅の門がありそこをくぐって丘を登るように進みます。車をとめてからその先はまた更なる傾斜で、まさに丘の上の邸宅です。エレベーターもありますが階段をのぼって行くことにしました。のぼりきると緑で埋まった敷地の間から覗くように太平洋が臨めます。ここで一息、そこから美術館の建物はまだ先です。想像したよりもずっとビッグスケール。さすが、当代随一の金持ちであったゲッティーの夢の邸宅です!
少しいくと、古代式の円形劇場が現れその規模にびっくり、そしてその先に美術館の建物が見えました。建物は中庭を囲むようにいくつかのギャラリーとして設けられそこに美術品が数多く展示されています。建物もさることながら内装もまた本格的に復元され、壁や床の大理石に至まで見事鑑賞の対象です!建物の回りには大庭園を含め4カ所の庭があり、美術品のみならガーデンツアーも用意されています。美術作品は、古代ローマが中心ですが、ギリシャのオリジナルも多く、美術本で目覚えがある作品もチラホラ、素晴らしいコレクションでした。今、LACMA(ロサンゼルスカウンティーミュージアム)ではポンペイ展が開催中、ちょうど先月出かけて、古代彫刻もいいものだなと思っていたところで、じっくりと楽しむことができました。
入場制限はあっても時間制限はありません。現代によみがえった古代ローマの邸宅での美術鑑賞、潮風に吹かれながらゆったりとした時間を過ごせます。お腹が減ったら美術館のカフェもおすすめです。

休日のマリブ、インドの寺院から古代ローマの大邸宅へと時と空間を駆け抜けてた一日でした。

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