そんな夏の音楽の祭典は、例年まずOjai (オーハイと発音します) Music Festival で幕開けとなります。先週5日から週末にかけて始まったOjai Music Festival へ日曜日に出かけてきました。
この日は朝から晴れて気温も上がり、ようやくカリフォルニアらしい天候が戻ってきたかのようです。オーハイは、LAから車で北へ1時間半ほど行った所にある渓谷の町です。オーハイみかん(日本のみかんのように小粒で手で皮をむいて食べれるので勝手にこう呼んでいます)に代表される柑橘の豊富な産地で、よくオレンジの花香るOjai Valley など形容されています。ここは、イギリスの有名な小説「失われた地平線」原作のアメリカ映画「Last Horizon」 の舞台となったところで、アメリカのシャングリラとも呼ばれ、東洋的神秘の香る所とされて、アーティストやニューエイジの人たちも多く住むそうです。
今回どんなところだろうと、ワクワクしながら出かけていきました。Ojaiの標識で、高速を降りると直ぐに緑あふれる道に入っていきます。LAからたった1時間ほどで空気の清らかな高原の町にやってきたような雰囲気です。そして着いた所は、四方をなだらかな山に囲まれたこじんまりした町で、ちょっと日本の里山のような感じもします。とてもチャーミングなところで一目で好きになりました。
今年で62回となるこのオーハイの音楽祭、現代音楽の大物が出演することでも有名で、かつてストラビンスキーもやってきたということです。今年は、ミニマリストのスティーブ・ライヒが登場。日曜日11時からのプログラムは、Steve Reich 自演のClapping Music に始まり、パーカッションのNEXUS や SO PERCUSSION の演奏によるライヒの70年代の作品、Drumming で終わりました。会場はLibbey Bowlで、町の中心にある公園、Libbey Park の中にあります。椅子席も用意されていますが、芝生の自由席で足を伸ばして聴くのが最高に気持ちいいです。カルフォルニアオークの木の下がテント代わりに、いい木陰をつくってくれています。そんな中で聴いた今回のDrumming の曲、ライヒの作品中、最長のもので、4つのパートが区切りなく演奏され曲は1時間にもおよびます。まずボンゴの音が登場、アフリカの大地のイメージに重なっていきます。続いてマリンバ、その後グロッケンシュピール(鉄琴)の高い音へと変化していきます。そして最後は、すべてのエレメントの集合音、まるで永遠に続いていくかのように音とリズムが繰り返され、音楽が体中に広がっていきます。次第に頭の中から雑念が消えて自分がまるで音そのものになったような感覚を味わいました。演奏が終わってしばらくして芝生の観客もみんな立ち上がり、スタンディングオベーションが始まりました。きっとみんな同じような体験だったのではないでしょうか?すばらしい演奏会でした。
ここには野外の古本屋として名を馳せるBart's という珍しいBookstore があるときいて行ってみました。
丘の上からの眺めはすばらしく、そこはまさに緑香る里山といった風景でした。「ここがアメリカのシャングリラか~?!」 そう思ってながめてると、以前インドで訪ねたリシケシの風景にも通じるような気がしてきました。
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